建築士の資格

建築士 国家資格
日本建築士連合会 建築士 建築士は、建築物が十分な機能と耐久性をもつように設計し、工事監理まで一括して行う「家づくりのプロ」です。超高層ビルや延べ面積500㎡を超える学校・病院・劇場等を扱うことができる一級建築士と、木造・コンクリート造・鉄骨造の戸建住宅・アパートを対象とした二級建築士があります。建築業界の中核を担う存在として、業界必須の国家資格です。
人気度ランク4 難易度ランク4 専門性ランク5 稼げる資格ランク4
年間受験者数 46,675人 *註1 所要勉強時間
(目安)
500~1,000時間
年間合格者数 9,858人 *註1 資格登録者総数 63,663人 *註2
合格率 21.1% *註1 平均年収
(目安)
722万円 *註3
*註1)2018年度試験実績
註2)1級の監理技術者資格者登録数(2019年1月時点)
註3)賃金構造基本統計調査(2018年)

こんな方にオススメの資格

  • 家づくりのプロとして建設業界の中核で活躍したい方
  • 建設業界、住宅業界、不動産業界にお勤めの方

「建築士」資格に関する需要

日本の高齢化・人口減少の流れの中で、空き家率の推移も上昇しており、建築業界全体としてはゆるやかに縮小傾向にあります。

一方で、2020年東京オリンピックに向けた大型施設・商業施設の建築ニーズや、一般住宅でも国が既築リフォーム市場を20兆円まで拡大する計画を発表しているように、新たな建築・住宅ニーズが出てきています。

一級建築士・二級建築士ともに、建築業界の中核を担う「家づくりのプロ」として、今後も底堅い需要が見込める資格・フィールドであると予測されます。
 



 

仕事のやりがい

  • 自分の頭の中のアイディアが図面として可視化され、最終的に「建築物」という目に見える形で長く残る達成感
  • 施工主との打ち合わせを重ねる中で、施工主との結びつきが強まり、完成後に感謝してもらえること

数字で見る建築士

建築士試験の直近3ヶ年受験者数・合格率
  2016年2017年2018年対前年比
1級学科受験者数(①)26,09626,92325,878-3.9%
合格者数(②)4,213 4,946 4,742 -4.1%
合格者率(②÷①)16.1%18.4%18.3%
1級製図受験者数(③)8,653 8,9319,251+3.6%
合格者数(④)3,673 3,365 3,827 +13.7%
合格者率(④÷③)42.4%37.7%41.4%
1級全体合格率(④÷①)14.1%12.5%14.8%
2級学科受験者数(⑤)20,057 19,64919,557-0.5%
合格者数(⑥)8,488 7,197 7,366 +2.3%
合格者率(⑥÷⑤)42.3%36.6%37.7%
2級製図受験者数(⑦)11,159 10,83710,920+0.8%
合格者数(⑧)5,920 5,763 5,997 +4.1%
合格者率(⑧÷⑦)53.1%53.2%54.9%
2級全体合格率(⑧÷①)29.5%29.3%30.7%
木造学科受験者数(⑨)495545544+10.1%
合格者数(⑩)304262312-13.8%
合格者率(⑩÷⑨)61.4%48.1%57.4%
木造製図受験者数(⑪)351325316-7.4%
合格者数(⑫)198247205+24.7%
合格者率(⑫÷⑪)56.4%76.0%64.9%
木造全体合格率(⑫÷⑨)40.0%45.3%37.7%
Total受験者数(①+⑤+⑨)46,648 47,117 45,979 -2.4%
合格者数(④+⑧+⑫)9,791 9,375 10,029 +7.0%
合格率21.0%19.9%21.8%

 
建築技術教育普及センターの2018年試験実績で、合格者の属性が公表されています。

  • 一級建築士合格者は平均年齢32.4歳男性77%女性23%
    勤務先は建設業39.5%設計事務所33.2%官公庁等9.1%プレハブ住宅会社7.7%
  • 二級建築士合格者は平均年齢27.6歳男性69%女性31%
    勤務先は建設会社・工務店・大工40.3%学生・研究生16.1%建設士事務所14.3%プレハブ住宅会社12.4%
  • 木造建築士合格者は平均年齢23.8歳男性72%女性28%
    勤務先は学生・研究生86.7%建設会社・工務店・大工8.8%建設士事務所1.0%

政府発表の2018年賃金構造基本統計調査で、一級建築士(企業規模10人以上に所属)の労働時間・年収などが確認できます。

  • 一級建築士の平均年齢は49.4歳、平均勤続年数15.7年
  • 一級建築士の月平均労働時間184時間(超過労働13時間含む)、平均年収721.6万円(年間賞与他含む)

資格取得のポイント

二級建築士の資格を取得し、建設実務を4年経験して、一級建築士の受験資格が得られます。

実務が特に重視される業界で、現在は一級建築士を取得してから、5年の建設実務を経て「構造設計一級建築士」となる制度も設けられています。

建築に関する知識はもちろん、実務経験を積む必要があります。

「建築士試験」概要

受験資格【一級建築士】
 ①大学卒業者は3年以上の実務経験(指定学科卒業以外は4.5年以上)
 ②短大・高専卒業者は5年以上の実務経験(指定学科卒業以外は7.5年以上)
 ③高校卒業者は10年の実務経験(指定学科卒業以外は11.5年以上)
 ④その他の者は15年以上の実務経験
 ⑤2級技術検定合格者で合格後5年以上の実務経験
 ※上記年数には指導監督的実務経験年数を1年以上含むことが必要

【二級建築士】
 ①大学卒業者は1年以上の実務経験(指定学科卒業以外は1.5年以上)
 ②短大・高専卒業者は2年以上の実務経験(指定学科卒業以外は3年以上)
 ③高校卒業者は3年の実務経験(指定学科卒業以外は4.5年以上)
 ④その他の者は8年以上の実務経験
申込期間【一級】4月上旬~5月中旬
【二級】【木造】4月上旬~4月中旬
試験実施日【一級】年1回(学科:7月下旬・設計製図:10月上旬)
【二級】年1回(学科:7月上旬・設計製図:9月上旬)
【木造】年1回(学科:7月下旬・設計製図:10月上旬)
試験内容【一級建築士】
 (学科)
  ①学科I(計画)
  ②学科1I (環境・設備)
  ③学科Ⅲ(法規)
  ④学科IV(構造)
  ⑤学科Ⅴ(施工)
 (設計製図)
  課題は事前に公表される。
  ※学科の試験合格者のみが受験可能

【二級建築士/木造建築士】
 (学科)
  ①学科I
  ②学科1I (建築法規)
  ③学科Ⅲ (建築構造)
  ④学科IV(建築施工)
 (設計製図)
  課題は事前に公表される。
  ※学科の試験合格者のみが受験可能
有効期間3年更新
■定期講習の受講が必要